―情報屋 米―
「はい!これで三浦財閥の情報は全部だよ!」
米が俺の前に書類を出して、座布団に座った。
俺はメガネをかけて情報に目を通し始めた。
「三浦財閥からの依頼ねぇ~…。あんた達も立派になったもんだ!」
米が笑って言った。
「まだまだだ。優がご令嬢と付き合ってなかったら依頼なんて来なかったと思うしな。」
俺は情報を見ながら言った。
「つっ…!付き合ってないよ…!!」
顔を真っ赤にして優が言う。
「そうなのか。モテる男は辛いな?優。涼風やら愛やら…。」
「違うもん…!」
ん…?
これは…。
三浦 朋樹。
愛の兄か……。
「ふ~ん。優秀だが社内評価はいまいち。部下を道具のように扱ってる人間…か。」
「誰のこと言ってんの?」
優が俺の方に来た。
「愛の兄貴だよ。それに比べて愛は…朋樹の才に隠れては居るが…誰にでも優しくて気遣いができる人間。社内評価も上々か。これは決まりだな。」
俺は情報を置いて言った。
「決まりって?」
「愛を狙う奴。8割犯人は三浦 朋樹だと思ってる。残る2割は……この暗号の謎だ。」
手紙を出して言った。
「待ってよ!自分の妹を危険な目に合わせる人なんて居ないでしょ!」
「…優秀なのに人がついてこない。妹は大した才能も持ち合わせてないのにチヤホヤされる。自分を誰も見てくれない。そんなこと思ってたら邪魔になってきたんだよ…三浦 愛が。三浦 愛さえ居なくなれば、次のトップは朋樹で確定する。怖いんじゃねぇの?妹が。」
俺はタバコに火をつけて言った。
「たかが…そんな理由で…。」
優は拳を強く握る。
「それをさせない為に俺達が雇われたんだろ?感情的になるな。私情は仕事の邪魔だ。始末屋としてやるべきことを考えろ。お前は…辰馬から何を学んだんだ?」
そう言うと、優が握った拳を開いて手のひらを見た。