俺は灰皿にタバコを落とした。


「さて…ここからが本題だ。愛お嬢様…俺達をいくらで買う?」


自分の胸に手を当てて言った。


「買うだなんて…!そんな言い方!俺達商品みたいじゃん!」


優が俺を見て言った。


「俺達は商品だよ。自分の実力に値段付けてもらって飯食ってんだろ?」


俺は優を見て言った。


「優は嫌がるかもしれないが…俺はお前を絶好の餌だと思ってるよ。三浦財閥からの依頼はそれなりに弾んでくれると思ってるからな。お前は俺達にいくらの値段を付けてくれるんだ?」


愛は俺を見た。


「愛ちゃん!俺は全然無料でも仕事するよ?!」


優が愛に言った。


「それはいけません。優はこの道のプロなんでしょ?プロである以上、お金を払います。自分の腕を過小評価してはダメ。優は自分の仕事に自信を持っていいと思うよ?」


愛が真面目な顔をして優に言った。


へぇ~…。
ただのお姫様じゃねぇみたいだ。


「薫さん。先程のリーディングは素晴らしい物でした。優が戦っていたのを見て判断しますが…薫さんにもそれくらいの実力があると思います。

私がお2人に掲示する値段は…



1500万円でいかがでしょうか?」


愛が俺を見て言った。


こいつおもしろい。


状況を踏まえた上で俺達が飛び付くような値段を掲示してやがる。



「気に入った。引き受けてやるよ。秘宝『黒き涙』と三浦 愛を狙う者の始末。俺達始末屋が請け負った。」


そう言うと、愛はホッとしたからか笑顔になった。



「大丈夫!愛ちゃんと秘宝は俺達が必ず護るから!」


優が愛に笑って言った。


「頼りにしています。」



愛は笑って言った。