始末屋



「まず…この文章の暗号はフェイクだ。書いた奴はわざとわかるように文章を作っている。お前達は慌てて手紙を見て、ろくに文章も見ずに、黒き涙を狙っていることがわかり、俺達のような裏稼業の人間に持ってきた。当然俺達は仕事だから手紙をちゃんと裏まで確認する。そうすれば出てくるのが…この数式。」


手紙を裏返した。


「この数式を見ればあの文章も何かの暗号だっていうのはわかる。だから文章は比較的簡単にわかる物を使って、三浦 愛も狙ってるっていうのを知らせる為に書いたんだ。本当に伝えたいのは…こっちの数式の暗号だ。こっちは…解読するのにまだ時間がかかる。

それと…引っ掛かることがある。この書いた奴は三浦 愛が裏稼業の人間に手紙を渡すのを知っているように書いてある。本当にお前達だけに見せる物なら、こんな暗号なんか使わなくても…ストレートに書けばいい話だろ?なのに暗号を使ってる。つまり…これを書いた奴は裏扇杜に居る俺達とお前の繋がりを知っている奴。お前に近しい人間ということだ。」


俺は愛にタバコを向けて言った。


「もしくはその近しい人間が裏稼業の奴を雇い‥手紙を書かせたのどちらかだ。お前達はまんまと利用されてここまで来たってこと。あとわからないのは俺達を引っ張り出す理由だけ。この手紙を書いた奴が俺達に会いたがってるか…雇い主が俺達に会いたがってるかってとこか。」


タバコを吸って煙を吐いた。


「優の相棒さんスゴい…。たった一枚の手紙でそこまでわかるなんて…。」


愛がポカンとした顔で俺を見た。


「リーディングってやつだ。手紙の書き方で性格と状況を観察しただけだよ。」


俺は欠伸をしながら言った。


「…………とは‥。」


執事は神妙な顔つきで何か呟いた。


「どうした?」


俺は執事を見て言った。


「いえ。これ程優秀な方だとは思いませんでした。」


執事は笑って言った。



嫌味か。
裏扇杜の人間だからって舐めてやがるな…。