-始末屋-


「…ってな訳で依頼したいんだが…どうかな?」


ヤクザの組長が俺に聞いた。


俺はタバコの煙を吐いて、組長を見た。


「依頼内容なんざ後だ。俺が言う依頼料を払えるかで決める。」


机の上に足を乗せて言った。


「いくらかね?」


組長は俺を見る。


「まず…そいつを探す手間賃が200万。そいつを始末するのが200万。俺達の依頼料が600万。合計は何円だ理恵。」



「合計…1000万です。」


理恵が冷静に組長の前に内訳を書いた紙を出した。


「1000万。若僧…調子に乗っちゃいけないな?」


組長が言うと、後ろに居た組員3人が俺達を睨む。


「お前達が何事もなく仕事ができているのは…我々が目を瞑ってるからだ。」


「誰が目を瞑って下さいって頼んだんだ?お前達がビビってるから俺達に手を出せないの間違いだろ?

若僧の力が無いと…カス1人も始末できねぇ存在が調子に乗んなよ?言い値を払えばお前達の尻拭いしてやるよ。嫌なら他当たれ。こっちは依頼に困ってねぇんだよ。」


組員が一斉に銃を構える。



「お前達に拒否権はない。さっさと仕事を受けろ。殺されたくなかったらな。」



「デスニードル。」


組員の真下から黒い針が襲いかかり、組員を串刺しにした。


「あぁ~あ。」


優が刺された組員を見て言った。


「そんな鉛玉で死ぬほど柔じゃないんでね。お前も殺されたくなかったら有り金全部置いてそいつら持って帰れ。じゃないと…殺す。」


「ヒッ…ヒィッ…!すいません…!」


アタッシュケースを置き、組員を抱えて逃げて行った。



「儲けたな。理恵…肩揉め。」


俺は首の骨を鳴らして言った。


「はいはい。」


理恵は俺の肩を揉み始める。


「優はその中に入ってる金数えろ。」


「う~ん。何か複雑だな~。可哀想な気がするけど…」


優がアタッシュケースを開けて言った。


「若いからって舐めた態度取る方が悪いんだよ。」


俺は灰皿に灰を落とした。