始末屋



―10分前―



「使うぞアビル。」


―『久しぶりの悪魔だ!存分に殺(や)れぇ薫!!』―



闇が頭上に広がり、そこに手を入れて魂喰らいの鎌を出した。


ぐっ…!


心臓に痛みが走る。



「以前に増してかなり禍々しい殺気になったわね。」


涼風は手を広げ、もう1つ扇子を出した。


「私も本気出さなきゃまずいわね…。」


俺は涼風に斬りかかる。


「風舞。」


足元から風が吹き、体制が崩される。


「ちっ…!」


鎌を地面に刺して着地して、鎌を抜いた。


「…闇の力よ…全てが平伏す絶望の力よ…我が鎌の声に応え…ここに集え…!」


鎌の周りに闇ができ、闇は鎌に纏った。


「絶望の輪廻!!」


鎌を回して涼風に斬りかかる。


だが涼風に間一髪避けられた。


後ろにあった廃ビルに俺の斬撃の痕が残った。



「こんな力…。薫まさか…あの時よりデスアビルとの距離が近くなったんじゃないんでしょうね…。」


涼風からものすごい殺気が放たれていた。


「当たり前だろ。俺は…果たさなきゃいけないことがある。救わないといけない奴がいるんだ。お前と居た頃の俺と一緒にすんなよ。」



俺がそう言うと、涼風は腕を伸ばして扇子を交差させた。



「あんたに言ったはずよ?あんたの悪魔は私の悪魔より質が悪いから近付くなって。分からず屋には…お仕置きが必要ね。」



後ろから風が吹き、その風が涼風に集まっていく。



「風魔扇(ふうません)!」


涼風の扇子は大きくなって、涼風の身の丈くらいになった。



涼風は風魔扇を振りかぶる。


「鎌鼬(かまいたち)!!」


風の刃が俺を襲う。


逃げようもなく、体が切られていく。


痛みをこらえて鎌を振りかぶった。


「ブラックストーム!」



俺も風の刃を出した。


涼風は扇子を広げて風の刃を防御した。


「甘いわね。あんたと私じゃ格が違うのよ。」


やっぱり届かないか…。



俺は目の前の相手の大きさに動揺してしまった。