グラスに氷を入れ、1つにオレンジジュースを入れ、もう1つにウィスキーを入れて窓辺に置いた。
俺はいつも首にかけているリングがついたネックレスをオレンジジュースの隣に置いた。
「乾杯。」
ウィスキーのグラスを取り、オレンジジュースのグラスに当てた。
「玲央奈が見た女って…桜のことだろ?あんな状態になっても魂は俺を見守ってたのかよ。この前…夢の中で説教してくれてありがとな。大切な物…ちゃんと取り戻せたよ。
…次は必ず桜を取り戻してみせる。俺だって今も愛してるよ…桜のこと。だから…もう少しだけそのまま見守っててくれ。桜が居るってわかっただけで…俺はもっと強くなれるから。」
俺はウィスキーを飲んで言った。
何やってんだか…俺は。
―『一人言が趣味になってんのか?』―
アビルが笑って言った。
「本当に居るなら言っておきたかったんだよ。」
コンコンッ…
「薫の言葉はちゃんとその人に届いてるよ。だって…涙流してうなずいてるもん。」
玲央奈がグラスを持って立っていた。
「お前…!」
「ごめん。聞いちゃった♪僕も薫と飲みたかったから!」
ベッドに飛び乗って俺の隣に座って、氷を入れてウィスキーをグラスに注ぐ。
「誰にも言わないよ♪乾杯!」
俺のグラスに自分のグラスを当てて飲み始めた。
「今日はありがとう。付き合ってくれた上に変な話聞いてくれて。」
窓から見える月を見ながら玲央奈が言った。
「礼はいい。」
俺はウィスキーを飲んで言った。
「薫ならきっと取り戻せるよ。僕が認めた契約者だからね♪」
玲央奈は笑って言った。
この笑顔の裏に、とんでもない苦労があったんだな。
俺も頑張るかな。
大切な物を取り戻す為に…大切な物を失わない為に…。
番外章~希望の光、闇を壊す~
―完―
‡おまけ‡
「絶対俺達や!!」
「俺達だって負けてないもん!!」
「アッハッハッハッ~~…♪」
―完…?―