階段を降りていき、リビングに降りた。


右を見るとキッチンと冷蔵庫とテーブルに座っている相棒の優が映り、左を見るとソファーと机とテレビが映る。


そのまま進んでいけば玄関があり、靴箱が置いてある。


相変わらず殺風景で狭いアジト。


「薫おはよー!」


相棒の優がテーブルに座って昼食をとっていた。


「おはよ。」


優に軽く挨拶して冷蔵庫の横に置いてあるダンボール箱から缶コーヒーを取り出して、優の真正面に座る。



「薫起きるの遅いよね~!」


「朝からうるせぇんだよ…。依頼人は?」



タバコを吸って灰皿にタバコを入れて火を消し、缶コーヒーを開けて飲み始めた。


「俺が起きた時から誰も来てないよ!最近仕事減ってきたからヤバいね~…。」


両肘をついて優が言う。


「全くだ。この前のヤクザの件も…お前が金はいらないなんて言うから、ボランティアになっちまったしな。」


優に嫌味っぽく言うと、しょげた顔になった。


「だってあいつらひどかったじゃん!子供にまで手出すし!」


「それはそれ。これはこれだ。」


缶コーヒーを飲み干して、キッチンの側にあるゴミ箱に投げ入れた。


「薫冷たいよ!」


「冷たくなきゃ裏稼業なんかやってられねぇから。」


タバコに火をつけて、来るかどうかわからない依頼人を待つ体制に入った。