結局、思い当たる事務所全てがソードという人物を知らなかった。
俺は裏通りに座り込み、ただ地面を眺めていた。
「……早よ消えろや…アラナス…。俺はもう昔の俺に戻れん…。さっさと去ってくれ。」
―『楓…。本当はわかってたんじゃないですか?楓が行った場所に…ソードという人物を知る者が居ないことを。』―
アラナスが悲しげに言った。
「…わかってた…。そんな用心棒が居るんやったら…俺を毛嫌いする前に殺してるやろ…。わざわざ孤児院狙わなくても…最初から俺を狙えば済む…。これでわかったやろ?俺はイライラを解消させる為だけに無関係の人間を殺したんや…。天使の力なんてもう似合わへん。だから俺から出ていけ。ごめんな…。」
俺は地面を見つめながら言った。
―『…人間はよく間違いを起こします。ほとんどの人はその間違いを認めません。言い訳を重ね…誰かを利用し…自分の否を隠そうとします。でも…楓は間違いに気付いた。素直に否を認め…私に謝った。
間違いは誰にでもあることです。それを糧に成長するか…それを捨て、自分に言い訳をするかは…人間次第です。
私は楓は無闇に人を殺す人間ではないと…今でも信じています。それに…まだ楓には守るべき人が居る。私の力は…玲央奈君の為に…楓を守る為に使って下さい。
楓はきっと…わかってくれると信じていますから。今日のことは目を瞑ります。』―
「うっ…!ぐぅっ…!」
アラナスの言葉に涙が流れてしまった。
玲央奈を…守る…!
今度こそ…!もう何も失わんように頑張るんや…。
そして…ソードを探しだして…地獄に突き落としたる…!!
俺は血が出るまで泣きながら地面を殴って誓った。
