始末屋



壁はガラガラと音を立ててヒビ割れた。



「そんな言葉……聞きたないねん…。何もしてやれんかった…。俺はこいつに…迷惑しかかけてないねん…。頼むわ…アラナス…。」


紅葉の顔に触れた。


生きている証の暖かさは無く、石のように冷たく重い感触がする。


こんなに近くに居るのに…遠くなっていた。


―『……ごめんなさい…。』―


アラナスが悲しく呟いた。


「楓…ごめん…。僕…守れなかった…!僕も契約者って奴だったのに…!守れなかった…!」


玲央奈が契約者…?


「お前…戦ったんか?!」


「うん…。でも…フラってなった時に…紅葉が…僕を庇って…!」


玲央奈は泣き始めた。



俺は玲央奈にビンタをした。



「…何しとんねん!!」


そう言うと、玲央奈は震えながら俺を見た。


「ごめんなさい…!僕が守れなかったから…!ごめんなさい…。僕…やっぱり役立たずなんだよね…。僕が死ねばよかったんだ…!」


玲央奈の言葉を聞いて、もう一発ビンタした。


「ごめんなさい…!もう…」


喋り終わる前に玲央奈を思い切り抱き締めた。


「か…楓…?」


「アホ…!そんな危険なマネして…お前まで死んだら…!俺…もう生きてられへんかったんやぞ…?よかった…!ほんまによかった…!生きててくれて…ありがとうな…!玲央奈…!お前が居るだけでも…ほんまによかった…!

役立たずやない…!お前は俺の…家族や…!お前の存在が…俺を救ってくれた…!」


泣きながら玲央奈に言った。


「楓…!楓~…!!紅葉を…!紅葉…守れなかった…!」


玲央奈も俺に抱きついて泣いた。