始末屋



「楓の妹はたくましいな。」


薫が笑って言った。


「うん!優しくて…かっこよくて…とっても綺麗だった!笑顔が素敵でさ…誉められたくてお手伝いとかもちゃんとやってたよ!」


僕は薫に紅葉ちゃんのことを喋った。


「初恋…ってやつか?」


薫は笑って聞いた。


「……そうだね!紅葉ちゃんは僕の好きな人だった!」



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「えぇか?玲央奈。俺達は今日から家族や。やから敬語は無し!俺のことも楓でいいし、こいつも紅葉って呼んでえぇから!最初は慣れへんかもしれへんけど…支え合って生きていこうな!」


楓は僕の頭を撫でて言った。


「……いいの…?僕…いらない子って言われてたし…何の役にも立たない子だっていつも言われてたのに…。ここに居てもいいの…?」


僕がそう言うと、紅葉は僕の頬をつねった。


「役に立たない人間なんて居らんから。気にせんでえぇの!」


そう言って僕を抱きしめた。


「今まで辛かったやろ?もう大丈夫。私達がずっと側に居ってあげるから…そない気遣わんでえぇよ。」


暖かい…。


今までこんな温もり…感じたことなかった…。


「うっ…!うぅ~…!うわぁ~ん…!」


紅葉の胸の中で僕は火が付いたように泣いた。


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―それから何ヵ月か経ったある日―


「紅葉~!!」


僕は洗濯物を干している紅葉の方に走って行った。


「玲央奈!どないしたん?」


紅葉は手を止めてしゃがんだ。


僕はランドセルの中からテストを出して渡した。


「おぉっ!全部100点やん!玲央奈はすごいな~!よう頑張ったね!」


僕の頭を撫でて笑ってくれた。


この一瞬の為に勉強もスポーツも何でも頑張っていた。


もちろん楓にも誉めてもらいたかったから頑張ってた。


「じゃあ何かプレゼントしたるから楽しみにしとき!本当によう頑張ったな!」


紅葉は僕を抱きしめた。


この優しさが段々僕を変えてきてくれていた。



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