始末屋

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傘を差して裏の繁華街を歩いていた。


「雨は憂鬱になるの~。雷も鳴るし…明るいお天道さん見たいわ~。」


空を見上げて言った。


―『おかしい人ですね。楓は雷を扱う契約者なのに。』―


アラナスが笑いながら言う。


「自分のは別や。さて…依頼料30万もらえたし…紅葉と子供達に何か買っていってやろうかね!」


曲がって表通りの方に行こうとした。


ドンッ!


「痛っ!」


走ってきたスーツの男にぶつかった。


そいつは謝りもせずにどこかに走り去った。



「何やねんなもう…。前くらい見て歩けや。」



表通りに続く道を見ると、ボロボロの髪の長い小さい女の子がガラスの破片を持って手首に当てていた。



「お前死ぬんか?こんな汚い所で。」


俺がそう言うと、驚いて俺の方を見た。


「もったいないのぉ。お前は未来を投げ捨てて死ぬんか?何があったか何も知らんけど、自分の人生に失望するのは早すぎるんちゃうか?」


俺は少女の手を握った。


冷たいな~…。傘も差さんでずっと居ったんかいこいつ…。


「触るな…!僕は…何もない…!家族も…頼れる人も…誰も居ない…!僕は1人だ…。死ぬのも僕の自由だ!」


俺の手を振りほどき、少女はガラスの破片を突き付けて言った。


悲しい目しとるな…。
辛い思いしてきた奴の目や。


俺とよう似とる。


「1人やない。お前の目の前に俺が居るやないか。お嬢ちゃん…人生なんて何があるか分からんのや。まだまだ未来はある。この先もずっと今と同じなんて絶対にない!

お前は1人やない。何なら俺がお前の家族になったるわ。どや?俺はお前の味方になったる。1人にもさせへん。なるべく楽しませるように頑張ってやるから

俺についてこんか?」


俺は少女にそう言って手を差し伸べた。