始末屋

「あんたと戦うの本当に久しぶり。少しは強くなった?薫。」


涼風は笑って扇子を仰ぐ。


俺は手の骨を鳴らして涼風に向かって構える。


「試してみるか?」



「もちろん!」



風と共にナイフが飛んでくる。


しゃがんで避けて、涼風に殴りかかる。


拳を受け流され扇子のナイフが月に照らされて光る。


「不用意に近付くと危ないわよ?」



ナイフが飛んでくる。


悪魔の腕で叩き落とし、地面に手を置いて涼風を蹴り飛ばした。



「痛いじゃない!」


涼風はすぐに起き上がってきた。


「ブラックスライサー!」



黒い斬撃を放つ。



「風牙。」


風の刃が斬撃を防ぐ。


「風波。」


突風が吹き、俺は壁に叩きつけられた。



「さすが‥風の悪魔の能力は衰えてねぇ‥。」



「当たり前よ。私の『アイラ』には衰えなんかないわよ。私にもね。」



扇子を仰ぎながら言う。


俺は起き上がった。



「その扇子‥。悪魔の武器を出しっぱなしにできるなんてな。相変わらず常人離れしてやがる。」



立ち上がってタバコをくわえて火をつけた。



「あんたの武器は出しっぱなしにするには不便なだけでしょう?」


扇子をたたんで俺を指した。


「お前の武器みたいにコンパクトでも出しっぱなしにはできねぇよ。」


そう言って煙を吐いた。


風が吹いてタバコの先端が切れた。


「悪いわね薫。お喋りしてる暇はないの。仕事の途中だからまた今度にしましょう?」



ナイフが飛んでくる。


腕で受け流して地面に手をついた。



「デスニードル!」


針の山が涼風に向かっていく。


「風陣」


涼風の周りに風が吹き、針が崩れ落ちる。


俺は大きく息を吸った。


「ブラックフレア!」


黒い炎を吐いた。


「風舞。」



扇子を仰ぐと、炎は風に消された。



「まだまだね薫。」



「いい加減腕慣らしは飽きたな。本気‥出すかな。」



俺は腕を挙げた。