始末屋

「僕も一応関西出身なんだけどね、楓とは別の所に住んでたの。

僕の生まれた『神崎家』は昔からイタコやら霊能力やらを使う由緒正しい家で、僕も小さな頃からその能力を身に付ける為に厳しい訓練をしてたんだ。けど僕は…」




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ピシッ!


鉄の棒で足を叩かれた。


「痛いよ~!お母様~!」


「座り方に品が無い!いい?お前は跡取り息子だ。本当は娘が生まれてきて欲しかったんだけどお前が生まれた。ならば…お前は女らしくありなさい!

しかも先代が封印した恐ろしい悪魔まで宿して生まれてくるなんて…この役立たず!お前のような呪われた子供を捨てずに育ててもらうだけありがたいと思いなさい!」


「…ごめんなさい…!」



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「厳しい家だな。女以外はいらないってことか…」


薫はタバコをくわえて火をつけた。


「お家柄もあると思うけど…何より僕が生まれた時から宿ってあるアグニの存在もあったと思う。まぁ体型が小柄なのもあるから女性物の服着てるけど…僕の仕草や振舞いは昔から染み込んである神崎家の教えだから女の子に間違えられるんだと思うけど…」


「顔もそうだろ。」


薫は僕を指差して言った。


「これは遺伝だから仕方ないよ!」


僕は笑って言った。


「まぁ…。そんな日々が続いて、僕が7歳の時に事件は起きた。」



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見渡す限り血の海…。


転がるのは死体…。


僕の体や顔は血にまみれていた。


「お母様…?お父様…?皆…皆…何で…?」


「うっ…!」


お母様は生きていた。


「お母様…!」


僕はお母様に抱き付いた。


するとお母様は僕を突き飛ばした。


「触るな…!呪われた…子…!お前なんか…生むんじゃ…なかっ…た…」


お母様はそう言って僕を睨み付けたまま死んだ。


「う…うわぁぁぁ~!!!」



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「僕の心の闇に反応したアグニが暴れて…僕は自分の手で家族を壊したんだ…。」