表の扇杜に出て、町を歩いていた。
玲央奈ははぐれないように俺の服の袖を掴んでいた。
「見て見て!かなりお似合いのカップル!」
「美少年と美少女だな~…。あの彼氏羨ましいな~」
「2人共モデルさんみた~い!あの人超カッコいいし!あの子も超~可愛い~!」
人が通り過ぎる度に言葉が耳に入ってきた。
「おい…離れて歩け。目立って仕方ねぇよ。」
俺は玲央奈に言った。
すると玲央奈は腕を組んできた。
「離れて歩いても意味ないよ!それに離れて歩いたら僕ナンパされそうだし!」
辺りを見回しながら玲央奈が言った。
「だったら男だって言えばいいだろ?」
「いちいち言うの面倒だもん!」
あぁ…。
もう疲れる…。
「めんどくせぇ…。だいたい何で俺がお前のお守りしなきゃいけないんだよ。」
「へぇ~…。そんなこと言うんだ~♪」
玲央奈は俺の腕を離し、地面に尻餅をついた。
「お前何やって「酷いよ…!あたしのこと散々弄んどいて…飽きたからって捨てるの…?!」
泣き真似をして俺に言う。
歩いてる人達は足を止め、俺をけだものを見る目で見ていた。
「あんなに愛してるって言ってくれたのに…!あたしのこと騙したんだ…!」
玲央奈は嘘泣きをし始めた。
「わかった!わかったから!もうめんどくせぇとか言わないから止めろ!」
そう言うと、玲央奈は嬉しそうに俺の腕を掴んだ。
「お前…あんなことどこで覚えたんだよ…。」
「この前お昼に見たドラマ♪」
罪のかけらも感じてない顔で言った。
「何でお前と楓が一緒に居るんだろうか…。そもそもどうやって出会ったんだ?関西弁も使ってねぇし…共通点がないよな。」
玲央奈を見て言った。
「僕と楓の出会いか~…。話せば長くなるけど~…」
――………。