「~~♪♪」
鼻唄を歌いながら玲央奈は俺の前をウキウキしたように歩く。
全く…。
この間に依頼入ってきたらどうするんだっての。
俺達もそこまで暇じゃないのに。
ドンッ!!
「痛っ…!」
玲央奈が大きな男に当たって転けた。
あぁ~あ…。
「クソガキ!どこ見て歩いてんだよ!!殺してやろうか?あぁ?!」
男は玲央奈の胸ぐらを掴んで持ち上げた。
「触んなよカス。デブは体大きいんだからちゃんと前見て歩きな。殺すよ?」
玲央奈は冷たい目で男に言った。
「何だと…!殺してやるよ!!」
男は玲央奈に殴りかかる。
玲央奈も悪魔の能力を発動させようとしていた。
「はいはい。そこまでにしとけ。」
男の拳を受け止め、玲央奈の腕を掴んだ。
「薫!僕悪くないもん!」
玲央奈がジタバタしながら言う。
「ぶつかったらごめんなさいだろ?お前もガキ相手にムキになるな。」
玲央奈と男に言った。
「ガキがしゃしゃり出てんじゃねぇよ!!」
男は俺に殴りかかる。
俺は拳を掴んで、くわえていたタバコを男の顔面に向かって吐いた。
「熱っ…!熱い…!」
男は顔面を抑えてもがく。
地面に落ちそうになった玲央奈を抱えて降ろした。
「いい加減にしとけよ?お前も大人ならガキの言うことにいちいち反応すんな。わかったか?返事は2秒以内にしないと…殺す。」
「わっ…!わかりました!!」
男はすぐに立ち上がって逃げた。
「お前も…あのくらいで悪魔の能力発動させようとすんな。使うべき相手が居る時に使え。いちいち殺してたら面倒だろ。」
俺はしゃがんで玲央奈に言った。
「む~!だってムカつくんだもん!絶対見た目で判断してやってきたんだよ!許せないよそんなの!」
玲央奈は口を尖らせて言う。
「そんな奴は言わせておけばいい。お前はもっと節操ってやつを学べ。」
そう言って頭を撫でた。