「―…お~る~!か~お~る~!」
ん…?
女の声…?
女が俺を呼ぶ声で目を覚ました。
ガチャッ!!
「薫~~♪♪」
ドスッ!!
「ガハッ!」
俺の腹に何かが乗った。
何だよ……。
「薫♪会いたかった~!」
腹に乗っていたのは玲央奈で、俺に抱きついてきた。
「何で居るんだよ…。関西に住んでる奴が…。」
いつもならすぐに引き離すが、起きたばかりで動くのもダルかった。
「観光♪薫~!扇杜案内して~!」
「めんどくさい。楓と行けよ。それが嫌なら下に優でも理恵でも居るだろ…?」
そう言って玲央奈をベッドから降ろし、布団に潜り込んだ。
「薫と行きたいの~!だから来たの~!早く行こうよ~!」
ベッドに乗って玲央奈が跳び跳ねる。
「~…!あぁ!わかったよ!行けばいいんだろ行けば!」
そう言うと玲央奈は笑った。
ったく…。
何で俺がガキのお守りしなきゃいけないんだよ…。
下に降り、シャワーを浴びて、また部屋に戻って私服に着替えた。
「はぁ…。」
溜め息を吐いて、リビングに向かった。
「薫はん久しぶり!玲央奈のことよろしくな~!」
楓は俺を見て言った。
「お前の所のガキだろ?お前がしっかり世話しろよな。」
タバコをくわえて火をつけた。
「玲央奈は言い出したら聞かへんねん!1日遊んでやるだけやんか~。」
まぁ、色々世話になってるし…今回だけならいいか。
「薫~!もう行こうよ~!」
玲央奈が俺の手を握って振り回す。
「じゃあいってくるな。」
「「「いってらっしゃ~い!」」」
優と理恵と楓が俺達に手を振った。