始末屋



「涼風姉さんの気持ち……少しはわかってるつもりだよ。涼風姉さんは敦史さんと出会って変わった。だからこそ私も許せない。無益に力を使って…人の大切な物を奪う行為は…。

だから…涼風姉さんが人を越えた力を求めるなら…風の悪魔の所へ連れて行ってあげる。」



人を越えた力…。



「でもこれは富田家でもまだ問題視されてること。まず悪魔が人と簡単に契約を交わすかさえもわからないし…何より自分に被害が無いとも言いきれない。大きすぎる力に…人が耐えれるかどうかもわからない。これは自分の命を賭けないといけないってこと。」



敦史……。


私は…。



「…契約…する。例え命が無くなろうとも…私は構わない…。パペットを殺せる力が欲しい…。」


そう言うと唯香は笑った。


「あともう1つ条件がある。それは…私も復讐の旅に連れて行くこと。どのみち…私が涼風姉さんを悪魔の所に連れて行くと…私は富田家には居られなくなる。

涼風姉さんも…今居るこの場所を捨てないといけない。今回の件は…デメリットがたくさんあっても私達にメリットは1つもない。それでも…涼風姉さんは悪魔と契約する?」



私は……。



「契約する。この町に居たら私は前に進めない。思い出は全部ここに置いていくわ。」



ごめんね敦史…。



復讐なんか考えるなって言われそうだけど…。


私はそれでも……敦史が居ない世界は耐えられないの…。



ここに居ると全て思い出すの…。



だから…ごめんね…。


私は復讐を終えるまで…敦史に会いに来ない…。



あのお墓の下に敦史が居ないのわかってるけど…私はお墓参りになんて行かないから…。




そんな私を許して…。


人間から堕ちていく私を…。



復讐に溺れる私を…。