敦史…!
敦史を探さないと…!!
私は当てもなく走り始めた。
嘘よ…。
敦史は私を置いてかないもん…。
敦史は私に寂しい思いなんかさせないもん…。
敦史は……私の前から居なくなったりしない…もん…!
涙が溢れ、視界がボヤける。
それでも私は敦史を探して走った。
ボキッ…!
ヒールが折れてしまい、私は転けてしまった。
膝から血が流れ、私は痛くてうずくまってしまう。
ポタ…ポタ…ポタ…ザー…。
タイミングも悪く、雨も降り始めた。
敦史…。
ヒールを脱ぎ、裸足で走った。
これは…夢よね…?
痛いけど…私…まだ起きてないんだよ…。
きっとそう…。
そうだよ………。
ピンポーン…。
ガチャッ…
「涼風…ちゃん…?涼風ちゃんどうしたの!」
敦史のお母さんが私の方に来る。
「こんなに濡れて…!膝も擦りむいてるし…靴は?!涼風ちゃん靴どうしたの?!」
「敦史…。敦史…居ますか…?」
私は敦史のお母さんに聞いた。
「敦史なら…大分前に涼風ちゃんに会いに行くって…「居ないんですよ…!!」
お母さんはビクッと体を震わせた。
私は膝から崩れ落ちる。
「どこにも…居ないんですよ…!敦史…。敦史はどこに…居るんですか…!お母さん…敦史は…どこに…!」
お母さんは私を抱き寄せて家の中に入れてくれた。
だが私はお母さんを振りほどき、敦史の部屋へと上がった。
「敦史…!!」
ドアを開けた先に広がる景色は、薄暗い部屋のみ。
敦史は居なかった…。
どこにも居ない…。
敦史…。
「敦史~…!!!」
私はとうとう泣き崩れた。
どこにも居ない…。
私の光は……
突然闇に拐われてしまった…。
