始末屋



その日の昼休みは迷わず屋上に向かった。


なるべく早く行けばあいつに会わなくて済む。


余った時間にまた1人になれる場所を探せばいいんだ。



早歩きで屋上に向かい、ドアを開けた。


開けたと同時に春の少し冷たい風が私を包み込んだ。



「ん?また来たのお前。」


予想とは裏腹に既に屋上には会いたくない人物が寝転んで居た。



「また1人じゃ無くなったな~。」


ダルそうに私に向かって言った。



私は何も言わずに距離を取って座り、お弁当を開けた。


ふと男の子の方を見ると、寝転んで雑誌を読んでいた。



京都MAP??


何でそんなの読んでるんだろ?



「何それ。」


私がそう聞くと、一瞬私を見て、また視線を雑誌に戻した。


「京都の観光地を紹介してる雑誌。もうすぐ修学旅行だろ?」


あぁ…忘れてた。


でもこんな見た目なのに修学旅行楽しみにしてるんだ。


変な奴。


「1人で回るから回る場所ある程度決めとかないと…現地でどこ行くか迷ってたら時間もったいないじゃん?」


ページを捲りながら言う。


「1人でって…確か絶対班行動じゃないとダメなんじゃないの?」


私が言うと、男の子は笑った。


「自由行動なんだから俺が何しようが自由だろ?何か言われたら話聞いてませんでしたって言えばいいし、集合時間さえ守れば何も言わないだろうしな。」


ますます変な奴…。


雰囲気が他の奴とは違う…。
何だろう?色で例えれば『緑色』。


どこまでも自由で自己中なんだろうな~…。



「こんな機会滅多にないし、また行く機会があるのかもわかんないからな。だったら見たい物を見る!その方が修学旅行って感じしないか?」


男の子は私を見て笑う。


その表情はとても無邪気だった。



「……そんなの知らないよ。私には関係ないもん。」


ペースが乱されていく。


私は一体どうしたんだろう…。