―涼風―
「広~~い!こんないい所に住んでたの?涼風姉さん!」
唯香は私の部屋を見て驚いていた。
「当たり前よ。私結構有名な護り屋なんだから!明日からもう仕事入ってるわよ!」
はしゃいでいる唯香に笑って言った。
「本当に私でいいの?気遣わなくても私1人で仕事できるよ?」
唯香が心配そうに言う。
「いいの?私とまた離れちゃうけど。」
私は微笑んで言った。
「べっ…別に…もう子供じゃないし1人でもできるもん…!」
唯香はむくれた表情で言った。
「あっそ!じゃあ頑張ってね!」
私がそう言うと、唯香は私に抱きついた。
「嘘…!涼風姉さんと一緒に居たい…。」
唯香の態度につい笑ってしまった。
それに気付いて恥ずかしそうに私の顔を見る唯香の頭を撫でてあげた。
何も変わってないわね。
強がって逆のこと言うけど、私が突き放したらすぐに態度を逆にする癖も。
「もう涼風姉さん離れない?」
心配そうに唯香が私に聞く。
「離れないわよ。もし離れる時があっても私達はまた絶対どこかで会えるわ。」
そう言うと嬉しそうに私の胸に顔を埋めた。
本当…甘えん坊さんね。
―楓―
「ただいま~!」
扇杜から家に帰ってきた。
「楓!おかえり~!!」
玲央奈が抱きついてくる。
「ただいま。ちゃんと仕事できたか?」
俺は玲央奈の頭を撫でた。
「当たり前じゃん!今ね~もらったお金の計算してた!来てきて!」
玲央奈は俺の手を引っ張って、リビングに連れて行く。
机の上には2000万はあるくらいの大金があった。
「そんなに仕事あったんか?」
呆然とそれを見ていた。
「僕が行ったら皆チップやお礼やって言って依頼料上乗せしてくれてたら全部でこんなになっちゃった!」
玲央奈は嬉しそうに言う。
商売上手…違うな…こいつは小悪魔や…。