俺は煙を吐いて辰馬を見た。
「お前はまだ…死なせねぇ。まだ仕事が残ってんだろ…。」
そう言うと、辰馬が俺を見る。
激痛を抑えて立ち上がり、肩に腕を乗せて担いだ。
「ぐっ…!お前は…優にちゃんと伝えるべきだ…!今までの思いをな…。最後なんだろうが…!後悔なんて残さずに死ねよ…。」
俺はそのまま階段を下りていく。
「荒西…。」
「すれ違いなんて…面倒だろ…!近くに居るなら相手に気持ちぶつければいい…!嫌われるの覚悟で思いをぶつけろよ…!
それでも切れない"絆"が親子だろ…?
例え…血が繋がってなくても…どんなに離れてても…いいじゃねぇか…。
お前らの"絆"は他の親子と何も変わらねぇはずだ…。優の親父は…お前だけなんだよ…!」
そう言って階段を下りていった。
一番下の階に着き、外に出ると優と涼風と楓とさっきの女が居た。
「辰馬さん!」
「お父さん…!」
優と女が駆け寄る。
俺は辰馬を地面に座らせて、涼風と楓の方に行った。
「辰馬…。話あるんだろ?ちゃんと伝えろよ。お前の思いを…。」
そう言ってタバコを吸った。