鎖を掴み、鎌を回して辰馬に投げた。


辰馬は鎌を掴んで俺を引き寄せ、顔面を殴り飛ばした。



「ガフッ…!」


また吐血してしまった。


「荒西…ここで死ぬか?お前は大事な物を全て俺に奪われたまま死ぬか?」



俺は立ち上がって垂れてきた髪を上げた。


「冗談じゃねぇ…。俺は……負けない…!!」


骸懺悔をしまった。


「死神の双剣…"幻魔と絶望"…。」


幻魔と絶望を手に取り、辰馬に斬りかかった。


辰馬は斬撃を鎌で受けていく。



「死ねば楽になれるぞ?苦しみや痛みから解放されるんだぞ?」


「ふざけんな!生きてるからこその苦しみや痛みだ!これを捨てたら死んじまうだろうが!」


幻魔で剣を払い、絶望で体を斬った。



「絶望の…ワルツ…。」


闇が辰馬を覆い、足を鳴らすと斬撃の音がして闇が晴れた。



振り返るとかすり傷がついたくらいの辰馬が立っていた。



マジ…かよ…。



「荒西…お前は『生』に何を求める。」


辰馬は俺に剣を突き付けて言った。



「普通だよ。普通の生活をして…大好きな奴と過ごし…夜になれば寝る…朝になれば起きる…。その当たり前の暮らしを俺は求めるだけだ。」


体の激痛を我慢して、剣を構えた。


マジでヤバい……。


体の限界なんざもうとっくに越えてる…。


「いい答えだ。表の奴らにはわからないだろうがな。」


辰馬は俺に斬りかかってくる。


剣で受け、顔面に蹴りかかった。


だが足を掴まれ壁に叩きつけられる。



「グフッ…!」


圧倒的すぎる…。


また負けそうだ…。



いや…弱気になんな…!


可能性はいくらでもあるはず…。


神経を研ぎ澄ませ、無敵のあいつに食らい付け…。



それができなきゃ死んでしまうんだ…。