始末屋



「なっ…!」


俺は背後から斬りかかっていた辰馬の剣を受け止めていた。


「時を止める能力…あれは厄介だった。だから考えてみたんだよ。

お前が時を止めて1秒後にするであろう行動を先読みしてその時点の行動を時を止める前にすれば…お前の攻撃を止めれるんじゃないかってな。」


鎌を払って距離を離した。


「時を止める能力は制限時間がないだろ?お前が三浦 愛を誘拐した時…お前は三浦 愛以外の全ての時を止めた。

だがこれにはそれ相応の力や代償がかかる。だから俺の戦いの時は違うはず。お前は俺に流れる時間の速さとお前に流れる時間の速さをずらしたんだろ?この能力には制限時間があるが代償は少ないし、やられた側は時を止めたのと一緒に感じるからな。

だからお前は速く動けるが…俺の動きはゆっくりになる。当然時間の流れの違いで正気に戻った俺は…時が止まり、その隙にお前が斬ったと思い込む。

違うか?五十嵐 辰馬。」



辰馬を指差して言った。



「末恐ろしいなお前は。たった1回の戦いでそこまで見抜けるその観察力…冷静に考えるその頭脳。とても10代には感じないな…。」


感心して辰馬が言う。


「失敗から学ぶのが人間だ。それができない奴は脳が猿で止まってんだよ。」


俺は笑って言った。


「言うね~。だが…まだ能力は2つあるぞ?」


俺の影から腕が出て俺の足や腕を掴んだ。


「これならお前も何もできないだろ?」


辰馬が斬りかかる。


「闇よ。」


闇を出し、窓を全部闇で覆い、完全な暗闇を作って影を消した。


そして気配を辿って、腕の鎌で辰馬の体を斬った。


「なっ…?!」


「舐めんなよ。それも対策済みだ。」


辰馬は俺から離れた。


闇を戻し、また光が部屋に入ってくる。


「暗闇でも俺はお前の存在が分かる。どうだ?追い詰められる気分は。『魔神』五十嵐 辰馬。」



辰馬を見て言った。