始末屋

「隙ができたら猪みたいに突っ込んでくる癖くらいわかってるよ。」


俺がそう言うと、優は血を吐いて笑った。


「そうだね。今までのやり方じゃ薫には勝てない。だから…今までの俺を捨てる。」


そう言うとコートとシャツを脱いだ。


あれは…重りか…?


優の両腕と腰に重りが巻き付いていた。


それを優は剥がし、更に両足にもついている重りを外し、片腕で持った。


「今まで隠してたけど…もういいよね。俺は薫と戦い終わって組んだ時からこの重りをずっとつけてた。もちろん今まで戦ってきた中でこれを外したことは一度もない。総重量は……」


優が手を離し、重りは地面に落ちた。


落ちた瞬間に軽く地面が揺れ、煙が舞い上がった。


重りがある場所だけ凹んでいる。


「全部で300㎏くらいかな?」


優はそう言って服を着た。


それを5個つけてたってことは…あれ1個で60㎏ってことか…?


あんな物つけて今まで戦ってきたのか…。



考えていると優は目の前に居て俺の顔面を殴り飛ばした。


拳が見えねぇ…。


更に俺の顔面を蹴り、俺を立ち上がらせてまた顔面を殴り飛ばした。


早い…。


これじゃ俺は技が出せねぇ…。


あいつ見えない所であんなことしてたのかよ…。


口に溜まった血を吐くと、奥歯2本も一緒に出てきた。


また差し歯入れねぇといけないな…。


「もう薫は俺に勝てない!このまま…殺す…!!」


優は俺を殴り続けた。



まだ…まだだ…!


こいつの拳更に重たくなってやがる…。


よし…!


優の拳を掴んで顔面を殴り、掴んでいた手を離し、腕の鎌で体を斬った。



「なっ…!」


優は驚いて俺から離れた。


「…見慣れたぜ?これで…また振り出しだ。」


俺は優に向かって構えた。


「来いよ暴走天使。俺が地面に叩き伏せてやるよ。」


笑って優に言った。