―薫―
俺はいろんな感情を抑えて上に上がった。
そこにはあの時戦った時の血がついている純白のロングコートに身を包んだ優が居た。
「来てやったぞ。」
優に言った。
「……手紙読んだ…?」
優が俺を見て言った。
「手紙?悪いが俺は人の字しか読めないんだよ。あんなミミズが這い回ったような字…何て書いてあるかもわかんなかったよ。」
俺は笑って言った。
「そこをどけ。五十嵐 辰馬に用事がある。」
「それはできない。言ったよね?次会ったら殺すって。まさか日本語も理解できない訳じゃないよね?」
優が笑いながら言った。
「タバコ吸いなよ。待っててあげるからさ。」
俺はタバコをくわえて、ジッポじゃなく100円ライターで火をつけた。
「……2つだけ聞いとく。お前は自分で物事を考え…自分で辰馬についた…そうだな?」
煙を吐いて優に聞いた。
「……そうだよ……。」
拳を握って優が言った。
「もう1つ…。理恵を必要な犠牲って言ったのはお前の本心か?」
優を睨んで聞いた。
「……そう…だよ…。」
拳が更に強く握られていく。
「へぇ~…。お前…何日か見ない間にとんだクズになったな。裏扇杜を平和にする為の犠牲?お前に教えてやる。犠牲があって成り立つような紙の上の平和なんてな…所詮また誰かに潰されるんだよ。そんなことも分からないバカ共に平和なんて語る資格はない。」
煙を吐いてタバコを落とし、足で踏みつけた。
「来いよ…。あの日の決着つけようか…どちらか死ぬまでな。」
悪魔の腕にして鎌を生やした。
「望むところだよ。」
俺達は同時に殴りかかり、お互いの拳が顔面に入って吹き飛ばされた。
