始末屋


「ふぅ~…。」


タバコの煙を吐いて私は倒れている唯香の隣に座った。


「な…何で…殺さない…のよ…!」


必死そうに私に言った。


「…唯香は殺せないわ。私の…唯一無二の親友だから。」


「ふざけ…ないで…!私を裏切った…あんたに…!そんなこと言われても…説得力が…無いわ…」


私は唯香を見た。


そして、頭を撫でた。


「今まで寂しい思いさせてごめんね…。唯香は戦いなんてしないでもよかった…。家に戻らなくてもいい…ただ誰かと幸せに…普通に…女として過ごしてほしかった…。」


そう言うと、唯香も私を見た。


「唯香まで私に付き合うことなかった…。最初から私だけが悪魔を背負い…普通の人間から堕ちるつもりだったの…。でもね…私と居て嬉しそうに笑う唯香を見てると…いつまでも決心がつかなかった…。でも私は1人で戦うことを決意して…唯香の目の前から姿を消した。

いつも心配だった。唯香は幸せに暮らしてるかいつも考えてた…。でもその事で唯香には深い絶望を与えてしまってたんだね…。本当にごめんね…。私が自分勝手に考えたことで…唯香を傷つけて…本当にごめんね…!私も…いつか唯香に会えるように…まだ持ってたんだよ…?」


シャツのボタンを開けて、唯香にネックレスを見せた。


唯香がつけている白とは違い、私のは黒の十字架のネックレスだった。


私は堪えきれずに涙を流してしまった。


「覚えてる…?私がこれを渡した時…私達はいつか離れても…絶対何処かで巡り会えますようにって…唯香に渡したの…!私は…ずっと…唯香の幸せを…願ってたの…!」


そう言うと、唯香も涙を流して声を上げて泣いた。


私は唯香を抱きしめた。


「ごめんね…!もう辛い思いなんて…させないし…私は離れないから…!」


「うっ…!ヒグッ…!寂し…かったよ…!涼風姉さん…!もう…!もう…1人に…しないで…!」


私達は2人で抱き合って泣き続けた。


過去のすれ違った思いを、涙に流しながら…。