「ここだ。」
俺達は廃ビルの前で止まった。
「ここに……唯香が……。」
「ハーヴィス…。」
涼風と楓がビルを見上げて言った。
「それぞれ相手は居るようだが…絶対死ぬなよ?」
俺がそう言うと、2人は笑った。
「誰に言ってんのあんた。私はまだ死なないわよ。」
涼風が扇子を出して言った。
「俺もや!玲央奈と約束してもうたし。薫はん…優の真意をちゃんと確かめてや?」
俺は頷いた。
優…。
お前は今何を思ってるんだ?
俺達は廃ビルの中に入った。
「涼風姉さん。やっぱり死んでなかったんだ~!」
階段から長い黒髪を二つ結びにしていて、胸元を開けた黒い服を着て、ミニスカートに網タイツを履き、ロングブーツを履いた妖艶な美しさを纏う女が降りてきた。
「あの程度じゃ死なないわ。でも…生きていたお陰でそのやらしい顔もう一回見る羽目になったけどね~」
2人の間に殺気が満ちていくのを感じた。
「先に行きなさい。この顔面変態女は私の相手よ!」
顔面変態女って…。
俺達は女を通り過ぎて先へ進もうとした。
「ラブフェロモン♪」
甘い香りがしたと同時に頭がボーッとして体が火照るのを感じた。
さっきの女を見ると、さっきよりも綺麗で美しく見えた。
「はぁ~…。すごいベッピンさんや~。」
楓も同じ状態に陥っていた。
「カッコいい♪おいで…薫君♪」
言われるがままに女の方に近付いて、体を抱き寄せた。
「…大胆♪キス…してもいいよ?」
俺は目を瞑って唇に顔を近付けた。
「烈風!!!」
涼風の声が聞こえ、俺は壁まで飛ばされて正気を取り戻した。
「なっ…?今のは…一体…。」
「薫!あんた桜ちゃん居るでしょ!今のはこの女の悪魔の能力よ!フェロモンを出してあんた達を骨抜きにしたのよ!」
フェロモンを扱う契約者か…。
「あんた達にもやらなきゃいけないことがあるでしょ?早く行きなさい!」
俺達は先へ進んだ。
