始末屋



―薫―


辰馬の居場所に向かってしばらく歩いていた。


やはり魔神の帰還は大きいのか、賑わう時間帯に人が誰も居ない。



「何黄昏てんの!私達置いてくつもり?」


「ホンマに薫はんは冷たい奴やな~!」



聞き慣れた声を聞き、すぐに後ろを振り返って確認した。


「お前ら…何で…」


後ろには涼風と楓が居た。


「何でじゃないわよ。あんた…1人で全部背負い込むつもりだったんでしょ?」


涼風は俺に近付いて俺の頬をつねった。


「あんたの体はどう頑張っても1つしかないのよ?だから周りに腐る程人が居るの。その中からあんたを支えてくれる人を見つけて…あんたの荷物を一緒に背負ってもらう。

私は薫の支えになるわ。だからいつまでも1人で解決なんてバカなこと考えないで。私はここに居るから。」


そう言って涼風は俺を抱きしめた。



涼風……。



「俺も居るよ!もちろん玲央奈もな!薫はんは例え優が居らんでもたくさんの人に囲まれとるんや!だから存分に俺も巻き込め!いくらでも力になってやるから!」


楓……。



何でこいつらはこんな俺にここまで…。



「……じゃあ行くか。それぞれの借りを返す為に…。」


俺はタバコをくわえて火をつけた。




―優―


「辰馬さん…薫と戦うつもり?」


タバコを吸っている辰馬さんに聞いた。


「そのつもりだ。シエルも久しぶりに疼いてることだしな。それに…お前が荒西と戦えば私情が出ないとも限らないしな。」



俺は拳を握りしめた。


今の辰馬さんと戦うくらいなら……。


「俺が戦う。戦わないと腕が鈍るし。ちゃんと本気で戦うから。」


そう言うと辰馬さんは俺を見た。


「ならやってみろ!今のお前なら荒西にも勝てるかもな!」


笑って俺に言うと、階段を上がっていった。



……薫……。