始末屋


19年前の裏扇杜。



その時俺は仕事を終えて帰っていた。


そこにたまたま居たんだよ。


廃車の上、俺はここに居るんだって言っているように泣き叫ぶ声が聞こえた。


廃車に近付いて上を確認したらよ…まだ生まれて間もない優が居たよ。


篭に入れられ、『城島』とだけ書かれたネームプレートが入ってあった。


俺が見つけた途端に泣き止んで、俺の顔を見て笑ったんだよあいつ…。


そしたら…漫画みたいな量の涙が溢れてきてよ。


その頃俺は『魔神』として恐れられて、誰も相手にしちゃくれなかったんだ。


そんな俺に対して純粋に笑いかけてくれた。


それだけで十分だった。俺はこいつを見捨てないでおこうと思ったんだ。



それから5年が経った頃。


俺も優のお陰で仲間と呼べる奴らが大勢できて、『angels』っていうチームを組んでいた時だ。



――――――――――――

「ねぇ~オジサン!」


皆でワイワイ酒を飲んでいると、坊主が俺の服を引っ張った。


「どうした?坊主。」


俺は座って目線を合わせてやる。


「僕の名前って坊主って言うの?何かカッコ悪いよ~。」


名前か…。


そういえばまだ名前決めてなかったな。


「おい!皆今からこいつの名前を発表するぞ!!」


俺がそう言うと、皆がこっちを見た。


「こいつの名前は城島って名字しかわからなかったから言わなかったが…今ここで名前をこいつに与える!」


俺は坊主を抱き上げて肩車をした。


坊主の顔を見ると、ワクワクしているような表情になっていた。