俺はタバコを吸い終わり、上に上がって着替え始めた。
着替えが終わり、鍵を閉めて外に出てある場所に向かった。
―扇杜市立病院―
「あの…結城 理恵の病室はどこですか?」
俺は受付の看護士に声をかけた。
「大変申し訳ないですが…現在結城 誠司様がいらっしゃいますので誰も通すなと言われておりまして…」
看護士は頭を下げて言った。
「じゃあ結城 誠司に始末屋の薫が来たと伝えてくれませんか?言えばわかるんで。」
俺を疑うような目で見て電話をし始めた。
「あっ…はい…!すぐに…!
結城 誠司様からの確認が取れましたのでどうぞ!」
場所を聞いて、病室に向かった。
集中治療室に着くと、誠司は俺を見た。
俺は買ってきた花束を見舞品が置いてある場所に置いて誠司の方に向かった。
「……何で……娘は巻き込まれたんだ…。」
誠司が静かに呟いた。
「全部…俺の責任だ…。罵倒するなり殴るなり好きにしてくれ。」
誠司は俺の胸ぐらを掴んで顔面を殴り飛ばした。
「何で…!何で…君達が…守ってあげられなかったんだ…!何で……理恵が…。」
何も言わずに立ち上がって理恵の方を見た。
「…俺のこの無駄な命ならいくらでも捨てる覚悟はできてる。でも…何でか…いつも未練がましく生き残ってる自分が居るんだ。それは…意味があることだと俺は思う。
だから…俺に依頼してくれないか?理恵を刺した人間…刺すように命じた奴らを始末しろって。」
そう言うと、誠司は俺を見た。
「仕事なら失敗なんてしたことないんだ。そこに感情が無いからな。でも…私情で戦うのはどうも苦手でね…。だから俺に仕事をくれ。それが俺の仕事なら…絶対に負けないから。」
俺は拳を握りしめた。