「玲央奈!!」


俺は玲央奈の方に戻った。


ターゲットは酷く怯えている。


「何かあったんか?」



「……城島 優の命令で僕を殺そうとした人が来たよ。逆に殺してやったけど。」


玲央奈は不機嫌そうに言った。


「そうか。俺もそう言われたわ。一体今どうなってるんやろうか…裏扇杜は…。」


空を見上げて言った。


「僕はザコがどう動こうが知ったことじゃないよ。でも…薫が今絶対悲しんでる…。理恵って子も刺されたみたいだから生きてるかどうかもわかんないし…。」


理恵って始末屋に居たあのべっぴんさんか…。


「楓…裏扇杜に行ってきて。」


玲央奈から信じられない言葉が出てきた。


いつもなら絶対僕も行くって聞かへんのに!


「えぇんか?」


「えぇんかも何も今仕事中だよ?2人共仕事放り投げて行ける訳ないじゃん。こいつを送り届けるのと残りの仕事は僕1人がする。

その代わり…全ての真意を見届けてきてね。優ってザコが本当に薫を裏切ってこんなマネしてるなら…関西一の運び屋の楓がきっちり地獄まで運んで。

それが僕からの依頼。」


利かん坊でまだまだガキやと思てたのに…薫はんと出会って、いい何かを学んだんやなこいつも…。


「おう!しっかりケジメつけてくる!あとよろしくな?相棒!」


俺が拳を出すと、玲央奈はその小さな拳を当てた。



薫はん…。


何も落ち込まんでえぇ。


"絆"っていう名の"腐れ縁"はそない簡単に切れる物やない。


優…。


お前は理解してるはずや…。


本当の"絆"を…。



それがわかってるからお前らはいつも笑顔でいがみ合って生活してたんやろ?



だから俺も手伝おうかな。


お前らの"絆"の修復作業をな…。