「ひっ…ひぃっ…!ひゃあっ!」


女は絶対的恐怖を目の前に逃げ出している。


俺は女を裏通りに追い詰めていた。


女はそんなことも知らずにただただ恐怖から逃れようとする。



たまらないな~。


目の前の恐怖でいっぱいな表情…。


だから……。



裏通りの行き止まりに着き、女は震えながらこちらを見つめる。


「嫌だ…!たす…助けて…!」



俺は手を女にかざし、炎を出した。



「嫌…!嫌……嫌ぁぁぁ!!」



「優しく焼いてやるよ。」



炎を女に向かって放ち、体を焼き尽くした。


全てが炭になり、俺の唇は女の脂肪でベタつく。


唇を指で拭き、後を去る。


これだから…殺しは止められない。



「最近随分と派手に活動してるみたいね~。」


目の前には俺の護衛の涼風が居た。


「あんた…そんだけ目立った行動してたら警察どころか裏の人間まであんたを狙いにくるわよ。」


扇子を広げ、それを扇ぎながら俺に言った。



「何の為に君を雇ってるんだ?」


俺がそう言うと、涼風は笑ってその場から消えた。



掴めない女だ。


誰が狙ってこようが、この力で焼き尽くしてやる。



なぁ、イスーラ?



―『あぁ…。これからも餌を頼むよ。慶太。』―