―朝 10:00 理恵―



始末屋で優の顔を見て、コーヒーを入れて出社していた。



優…ちゃんと元気になっててよかった。


昨日の様子からして何か重大な悩みがあったと思ってたけど、やっぱり涼風さんはすごいな~。


私は社内電話の内線で社内にある喫茶店に電話した。


「すいません。サンドイッチセットにカフェオレのアイスをつけて持ってきてくれないかしら?あと、砂糖とミルクはいらないわ。」


「はい!少々お待ち下さい理恵様!」


いつも喫茶店にいる女の人がハキハキと言った。


様なんていらないのに。


そう思いながら内線を切った。


「……私も頑張らないとね。」


そう呟いて仕事に取り組み始めた。



私も仕事頑張って、涼風さんみたいなできる女になって成長したって思わせたいし!


新しい企画原案を見ながら、予算の計算や今のままで企画を実行できるかを考えていた。




コンコンッ。


ノックの音が響いた。


「入っていいわよ!」


ドアが開くと、いつもの女の人じゃなくて男の人がサンドイッチセットを持って立っていた。


「あら?いつもの人じゃないのね。」


私が聞くと男の人は笑った。


「すいません!今日からバイトに入りまして…理恵様に顔を覚えてもらってきなさいって言われて来ました。」


そういうことか…。


「ありがとう。ここに置いて!」


男の人はドアを閉めてこっちに来た。


「どうぞ!味わって下さい!……最後の食事をね!」



ドスッ!!


えっ……?


私の横腹にナイフが刺さっていた。


気付いた瞬間に激痛が走り、私は椅子から落ちて倒れた。



「あ…あなた…!誰…。」


私は男の人を見上げて言った。


「野島 正二だ。悪く思うなよ?恨むなら…




城島 優を恨みな!お前を刺せって言ったのは城島 優だからな!」


そう言って男は通気口に入り、姿を消した。


血が流れていくのを感じる…。


優……何で……?


何で…わた…し…を……。