始末屋


―薫―


優遅いな。


いったいどこまでタバコ買いに行ってんだろ。



「ただいま~。」


やっと優が帰ってきた。


「お前…どこまでタバコ買いに行ってたんだよ。」


優は何も言わずに袋を渡して、階段を登っていった。


何だ?
何かあったのか?


疑問に思いながらカートンを開けてタバコを取り出し、封を開けてタバコをくわえて火をつけた。



「どうしたのかな優。何かあったのかな?今変だったよね?」


理恵が俺を見て聞いた。


「……あいつがあぁなってるってことは何か悩んでるんだろうな。」


「大丈夫なの?」


心配そうに俺に聞く。


「心配なら見に行けよ。」


灰皿に灰を落として言った。


「私が行くより薫が行った方がいいでしょ?優もそっちの方がいいだろうし!」


理恵が俺の方に来て言う。


俺かよ…。


「1人で悩んで解決した方がいいんじゃないか?普段からそうしてるし。」



「ならいいけど…。」


でも…今日のは何か気になったな…。



今更声かけるのも恥ずかしいし…。


そうだ。
こういう時のあいつか。



財布から涼風の携帯の番号が書いてある紙を取り出した。


「理恵、ちょっと携帯貸せ。」


そう言うと疑問に思いながら俺に携帯を渡した。


番号を入力して通話ボタンを押した。






『はい。こちら護り屋涼風です。御依頼ですか?』


丁寧な口調で喋る涼風。


「御依頼かな。優の様子がおかしいから暇ならちょっと話聞いてやってくれないか?」


『薫?!それより…優君の様子がおかしいって?』


いつもの口調に戻って俺に聞いた。


「何か悩んでるみたいだよ。こういうのは俺が聞くより年上が聞いた方がいいだろ?」


タバコを吸って聞いた。


『あんたが聞くの恥ずかしいだけでしょ?わかったわ。今日は仕事ないし行くからちょっと待ってなさい。』


そう言って電話が切れた。