その後、すぐに優がチョコを持って帰ってきた。



あぁ~あ…。


もう夕方になっちゃった。


度々来る訪問者のお陰で結局渡せずに時間だけが過ぎていった。


もう渡さないでおこうかな…。


いっぱいもらってるし…私のなんて…。



でもせっかく作ったし…勿体無いよね。


私は物置に行ってチョコを持ってきた。



「あのね…これ…作ったんだけど…。」


誰も来なかった。


薫と優は驚いている。


その後に少し笑って2人は受け取ってくれた。


「理恵ちゃんありがとう!」


「ありがとな。」



よかった…。
ちゃんと受け取ってくれた…!


2人は顔を見合せて笑った。


「じゃあ…いつもいろいろしてくれるお前に…俺達からプレゼント渡さないとな。」


薫が言った。


プレゼント??


「冷蔵庫開けてみて!」


優が冷蔵庫を指差して言った。


不思議に思いつつ冷蔵庫を開けてみた。











そこには、ハートの形をしたチョコケーキが入ってあり、真ん中に『理恵いつもありがとう! 優 KAORU』と書いてあった。


「これ…!だから早起きしてたし‥ご飯作らないでいいって…」


薫は少し笑って頷いた。


「いつもお世話になってるから理恵ちゃんだけに‥俺達からのプレゼント!」


私だけに…?


「バカ…!ありがとう…!」


2人の優しさに胸打たれ、涙が溢れだした。



よかった…!
ちゃんと渡せて…!



その後皆でケーキを食べて、私の波乱のバレンタインデーは過ぎた。



こんなに大変なバレンタインデーは



後にも先にもきっとないだろうな~…。






番外章~HAPPY VALENTINE~


―完―