「今日は出てきても大丈夫だったの?」


気になって愛ちゃんに聞いてみた。


「うん!この前のことでお父様もお母様と話し合ってね‥事前に報告してたら外に出れることになったんだ!」


よかった…。


ちゃんと話し合えたみたいで…。


やっぱりこのくらいの年の子は遊んでたいだろうし、愛ちゃんも普通の人間なんだってわかってもらいたかったしね。


「優のお陰でちゃんと変われた気がするの…。私‥優と会ってなかったらどうなってたんだろ?」


愛ちゃんがこっちを向いて笑った。


思わず顔を反らしてしまった。


「もし会ってなかったら‥俺じゃない誰かが愛ちゃんを正しい方に向けてくれたと思う‥かな…!よくわかんない!俺バカだから!」


頭を掻きながら言った。


「でも…それじゃつまんなかっただろうな~…。他の誰でもない優だったから…私は今ここに居るんだと思いたいかな!私もよくわかんない…バカだからかな?」


「そんなことないよ…!俺は嬉しいよ?愛ちゃんの力になれたなら!」


そう言うと、愛ちゃんは少し微笑んで俺を見た。


やっぱり……胸の奥が痛くなる…。


「いつか私も優の力になれるように頑張らないといけないね!」


髪を掻き上げて愛ちゃんが言う。


~~♪♪


携帯の着信音が鳴り、愛ちゃんは電話に出た。


「‥はい…。わかりました。」


電話を切ってカバンに戻した。


「そろそろ帰る時間だって…。」


愛ちゃんは悲しそうに言う。


「そっか…。それは仕方ないね。」


「はい!これ!初めて作ったんだけど…受け取ってくれる?」


愛ちゃんはカバンから小さな可愛い紙袋を俺に差し出した。


「もちろん!ありがとう!」


それを受け取った。


「また会えるよね?」


愛ちゃんは心配そうに俺に聞く。


俺は小指を出した。


すると、愛ちゃんも小指を出して指切りをした。


「いつでもここに居るから大丈夫だよ?」


「…ありがとう。またね!」


愛ちゃんは帰っていった。