―その頃の始末屋―
「薫~?薫!朝だよ~!薫?早く起きなよ~!」
優の声で目が覚めた。
「痛っ…!あぁ…ソファーで寝てたのか俺…。」
タバコをくわえて火をつけた。
「これ!買ってきたよ!」
優は袋を俺に見せた。
「あぁ…。あとこれも見とけ。」
紙を優に投げた。
「はいは~い!」
―その頃の結城家―
「わかったよ。理恵がそこまで言うなら今日は休みなさい。ただし…ちゃんと次の日から働くんだぞ?」
お父様にある程度説明して休みをもらった。
「はい!」
相原を見ると、また困った顔をしていた。
「ごちそうさま。」
そう言って席を立ち、厨房の方に向かった。
「理恵様が手作りチョコをですか?」
厨房に居たシェフが驚いて言った。
「そう!だからちょっと厨房借りるわね!」
そう言ってぱぱっと材料を用意して作り始めた。
「理恵様もそんなお年頃ですか~…。よほど立派な方なんでしょうね~。」
シェフが少し笑って言った。
「違うよ~!そんなんじゃないの。あの2人には結城グループの依頼で頑張ってもらったし…薫の言葉でお父様も改心して結城グループはあの頃よりも明るい会社になった。それにぶっきらぼうだけど優しくてちゃんと私のことを1人の人間として見てくれるし…特別扱い」
あれ…?
何で私薫のことしか喋ってないんだろう…。
「その薫様が理恵様のお気に入りなんですね~!」
シェフがニヤニヤしながら言った。
「違うよ…!本当にそんなんじゃないの…!!絶対違うから…!」
違うよね…。
だって薫にはちゃんと好きな人も居るみたいだし。
私はただお礼がしたいだけ!
絶対そう!特別な感情なんて何もないわ。
そう言い聞かせて作っていた。
