始末屋

タバコをくわえて火をつけた。


「君達も強情だね~…。そんなに私の娘が大切かい?」


「全然。ただ…依頼人だ。依頼人は大切にしなきゃな。」


煙を吐いて言った。


「フロッピーを渡してもらおうか。そのフロッピーは君達のようなチンピラが持ってていい代物ではない。」


それを聞くと、俺は笑ってしまった。


「何がおかしい!」



「悪い悪い!そうだよな。俺達みたいなチンピラが持ってちゃおかしいよな!


結城グループの裏取引の全てを保存したフロッピーなんて…俺達にはもったいないよな?結城 誠司。」



俺がそう言うと、誠司は驚いた顔をした。


「驚いたか?俺達みたいな裏の人間があんたの大切なフロッピーの中身を知ってることによ。」

「なぜそれを知っている!」


「裏の人間なめてんじゃねぇよ。金がある所に俺達裏の人間が居る。ホームレスもストリートキッズもヤクザも俺達も…皆あんた達のおこぼれ貰うのに必死なんだよ。

どこで誰が見てるかわかんねぇぜ?」



床に散らばった情報を誠司に投げた。


誠司はそれを見ると、青ざめた顔になる。



「邪魔だよな?フロッピーの中身を知ってた牧瀬組も…フロッピーの中身を知った娘も…俺達も。だから殺そうとする。

哀れな奴だ。たかが自分の欲望の為に娘をも殺すか。」


銃を俺に向けて構える誠司。


「お前に何がわかる!!貴様らなんかに俺の野望の何が!!」


煙を吐いて、タバコを地面に落とし、足で揉み消した。


「わからねぇなそんな野望。肉親を犠牲にして立つ野望なんざ俺はいらねぇよ。」



「そうよ!お父さんは何もわかってない!これ以上何が必要なのよ!」



理恵が机から出てきた。


何やってんだよ…。



「黙れ!」



誠司は理恵に向かって銃を構える。


ヤバい!



バンッ!!