始末屋



―『デスアグニだと?!!』―


アビルがざわつき始めた。


どんな奴なんだ?


―『あのカスなんざ比べ物にならねぇくらいの奴さ。アグニは契約主が創造した能力を現実にする…。悪魔のことを分かる奴が契約すればこの世界を支配することなんざ造作もねぇ。それくらい反則並みに強い。

それ故にあいつは契約主をとことん選ぶ。あの玲央奈って奴…ただ者じゃねぇな。』―



気が付けば周りは不死身の軍団が囲んでいた。



「魂喰らいの鎌…"黒月(こくづき)"。」



無数の鎌の刃が周りを埋め尽くした。


それを器用に指や手の動きで操り、敵を斬っていく。


『あぁ~!』


俺の後ろから敵が来ていた。


殴り飛ばそうとした瞬間に鎌の刃が頬をかすり、敵を斬った。


「手を出さない。さっき言ったでしょ?下手に動いたら巻き込まれちゃうよ?」


こいつ…気配を読めるなんてレベルじゃない…。


後ろに目がついてんのか…?


「集まれ~!」


手を空にかざすと無数の刃が集まって三日月のような形になり、それを投げて敵を斬っていった。


鎌が消え、玲央奈の両手に闇が集まる。


「死神の双剣…狂猫の爪(きょうびょうのつめ)。」


玲央奈の両手に鈍く紫色に光った爪がついた。


敵の攻撃を避け、玲央奈が敵を斬ると、体の至る所がボコッと膨れ上がり、紫色の毒を吹き出して倒れていく。


「アハハッ!!」


楽しんでやがる…この状況を…。



楓の言っていた意味が今ならわかる。


こいつは天才だ。



だが…命を命と思ってない。


自分以外の人間が不様に死んでいくのを楽しんでるんだ。



だから楓は依頼に参加させなかったのか…。