―薫―


何だよここ…。


見渡す限り真っ白な空間…。


頭がおかしくなるっての。



どんだけ歩き回っても壁に到達しないし…一体どこだよここは…。


ポケットを探ると、タバコの箱があった。


箱からタバコを1本出して火をつけた。



ガタンッ…!ガタガタガタガタガタ…!


何だこの音…。


バコォンッ!!


「「「あぁ~…!!!」」」


何かが壊れた音がすると、何もない空間から人がなだれ込んできた。


一番前に居る奴が殴りかかってくる。


俺はしゃがんで避け、腹をおもいっきり殴った。


「あぁ~!」


だが怯むことなく俺の顔面を掴んだ。


痛みを感じてない?


確かに生気も感じられないが…何者だよこいつら…。


「ブラックシャーク!」


そいつの腹に手を置き、そいつの背中から黒い鮫を出し、後ろに居る奴らを噛み砕いていく。


俺の顔面を掴んでいる奴の手を両手で掴み、足を踏んでおもいっきり手を回した。


ゴキゴキゴキィ…!


鈍い音が俺の手から振動で伝わってきた。


「悪いな。痛みもないんだから許せよ?」


そいつの顔面を蹴り飛ばし、殺意や狂気を込めて地面に手をつけた。


「デスニードル!」


俺の周りを黒い針が埋め尽くす。


だが、針が無くなると何にもなかったように襲いかかってくる。


「やっぱり…焼き尽くすか…切り刻むしか方法がないみたいだな…!」


攻撃を1つ1つ避けて言った。


―『そうだろうな。デスニードルクラスじゃ元気な方だろ。ブラックバーンかブラックフレア…ブラックシャークが妥当だろう。』―


アビルは落ち着いた口調で言う。


「がぁ~あぁっ!」


「ちっ…!」


後ろに下がって避け、空気をおもいきり吸い込んだ。


「ブラックフレア!!!」


口から黒い炎を吐いた。


近くに居た奴らは灰になったが、奥の方に居る奴らは燃え盛る炎を越えて俺の方に向かってくる。