「…さい…!……なさい…!優君!起きなさい!!」
涼風さんの…声…?
今日も買い物行くのかな…?
目を開けると、涼風さんの顔が視界に入る。
あれ…?
外????
起き上がると、荒野が広がっていて楓も居た。
「やっと起きたわね…。」
涼風さんは疲れたようにガックリと肩を落としていた。
「ここは…?」
辺りを見回して言った。
「俺達にもさっぱりや。見渡す限り全部荒野。一体何の世界に迷い込んだんやろうな。」
楓は腕を組んで座っていた。
「変な魔法陣が出たと思ったらここに来てたわ。まぁ…さっきからビリビリ感じてる気配の奴らがしたのは間違いないでしょうけど…。しかし…暑いわ~ここ…。」
涼風さんは着ているコートとシャツを脱いで、タンクトップだけになり、髪をポニーテールにした。
俺はすぐに目を反らした。
「うぶやな~…優は。」
楓がバカにしたように俺に言う。
「うっ…うるさいな~〃〃」
あれ…?薫は?
薫が居ない…!
「涼風さん!薫は?」
「さぁね。私達とは違う場所に飛ばされたかもしれないわ。」
そんな…。
大丈夫かな…薫…。
「まっ!薫はんは心配いらんやろ!あんだけ強いんや。きっとこっちに来る。」
楓は笑顔で俺に言った。
「ごきげんよう。違法契約者の皆様。」
声が聞こえ、辺りを見回すと離れた所に3人の人が居た。
「私は大天使ミカエル。あなた方を殺す仕事をしています。」
俺達はそれぞれ構え始めた。
「私達が直接裁きを加えてもいいんですが…あなた方の実力は先の戦いで知っています。なので…この方々の相手を先にしてもらいましょう。」
ミカエルが手をかざすと、閃光を発し、光りが止むと数えきれないくらいの人が居た。
「この方々は違法契約者だった者です。今は悪魔も天使も契約してない只の人形ですが…この数を突破できますかね…?」
その人達は一斉に俺達の方に襲いかかった。