始末屋

ん……。


う…ん…。


意識が戻って辺りを見回すと、血の海と化していた。


生きているのは俺と優と理恵。


たった3人しか残らなかった。



―『なかなかおもしろかったが‥契約する程じゃなかったわ。またしばらくよろしくな薫。』―



最初からそんな気ねぇくせに。

よく言うわ。


タバコをくわえて火をつけた。



「か‥薫!」


ドスッ!


優の声が聞こえたと同時に、腹に何か刺さった。


振り返ってみると、かろうじて生き残ったヤクザが俺にドスを刺していた。


「何してんだお前‥死にたいのか…。」


俺はヤクザの手を握ってドスを抜いた。


ヤクザは俺を見ると、逃げ出した。



逃げるくらいなら最初からやんなっての。


アビルが暴れたから傷が開いてるってのによ…。



優と理恵が俺の方に来た。


「怖いだろ?俺が。だから言ったんだ。世の中には見ない方がいいこともあるって。」


そう言うと、理恵は俺に近付いて手に触れた。



「怖いけど…怖くない…。不器用だけど優しいの…ちゃんとわかったから。」



何だこいつ…。


気持ち悪い。


俺は理恵の手を離してタバコの灰を落とした。



「気持ち悪いんだよ。人間は人間らしくしてろ。」



そう言って歩き始めた。


すると、優と理恵が隣に並んで歩く。



「何だよ。」


「照れてるの薫?」


優がニヤニヤして言う。


「照れてねぇ。ボロボロの奴が調子に乗るな。」


「照れてもいいよ?薫!」


理恵も笑って言った。


「照れねぇっての。」



何だよこいつら。


いつにも増して気持ち悪い。



そう思いながらアジトへと戻り始めた。