アビル…あの技使ってもいいか?
―『まだ修得できてないだろ?さすがに命の保証はできないぞ?』―
…わかってる。
死ぬならそれまでってことだろ?
―『いいねぇ~。やっぱり人間は楽しめる!!』―
言ってろバカ。
ガブリエルはゆっくりと起き上がった。
「これで終わりだ。とっておきの蜃気楼なんかもう効かねぇからな?」
俺がそう言うとガブリエルは殴りかかってきた。
俺は避けて後ろに下がった。
「今こそ解き放つ時。全てを破壊する悪魔王の力よ。邪念‥怨恨‥欲望‥その力で全てを焼き尽くせ。我が言霊により‥その力を解放せよ!」
詠唱が終わったと同時に、体には疲労感や痛みが暴れまわる。
ぐっ‥!!
やっぱりまだ扱いきれないか…。
―『だったら死ぬか?』―
ふざけんな…!こんな所で…
「死ねるかぁ!!!」
俺の周りに漆黒の球体が無数に浮かび上がった。
「狙いはあいつだ…。終焉の黒き雨!!」
俺が言った瞬間に漆黒の球体から黒いレーザーがガブリエルに向かって放たれた。
ガブリエルは丁寧に避けていくが、レーザーが止む気配はない。
「無駄だ。空から降る雨は…どれだけ濡れないように頑張っても濡れるものさ。お前も例外じゃない。」
ガブリエルにレーザーが当たり、一斉に他の球体もガブリエルを射撃する。
「…私…は…大天使ガブリエル…だ…!!」
レーザーの攻撃が止み、煙が晴れた頃にはガブリエルの姿は無く、そこら中に血飛沫がかかっていた。
「大天使でも…『扇杜の死神』には命を差し出すしかなかったみたいだな。」
ポケットを探ってタバコを出し、1本くわえて火をつける。
だがタバコが湿気っていて一向に火がつかなかった。
「全く…はた迷惑な天使だ。タバコ全部オシャカにしやがって…。まぁ…命で償ってもらったからよしとするか。
こういう奴とは…できれば二度とやりたくないな。」
俺はタバコを箱ごとその場に投げ捨てて、アジトに戻り始めた。
