始末屋

―優―


最後の攻撃…結構ダメージが残ってるな…。


でもこれ以上涼風さんに迷惑かけられないし…頑張るしかないか…。


「千夏程度に遊ばれてた癖に俺に勝てると思ってんの?」


男はクスクスと笑って俺の視界から消えた。



スピード早いのかな?


でも…俺の目には何も映らなかった…。


だとしたら……。


背後に振り返り、男の胸ぐらを掴んで地面に叩きつけた。


「ガハッ!な…なぜ…。」


「いや~…あんたみたいな人って大概一発目の攻撃で背後に回るからさ。何となくそうかな?って。」


俺がそう言うと、男は後ろに下がって棒を構えた。


「まぐれは続かない…。この泰光様が負けるか~!!」


棒を回しながら向かってくる泰光に手をかざした。


「フレアランス!」


炎の槍が泰光に襲いかかる。


すると、また視界から泰光が消えた。


その直後に俺の目の前に来ていた。


俺は棒による攻撃を全て避けて、泰光の顔面を全力で殴った。



「ガッ…!」


泰光は顔面を抑えて俺を見る。


「大丈夫?もっと手加減した方がよかった?」


そう言うと、泰光の持っている棒が3つに分かれ、俺を捕らえた。


「なめるなよ?」


俺は力を入れて、棒を繋ぐ鎖を壊した。


泰光は驚いた目で俺を見る。


「ごめんね?相手してる時間ないんだ。」


拳を握り、泰光の腹を思い切り殴った。



「ガァッ…!」


泰光は俺にもたれ掛かるように倒れ、俺は地面に寝かせた。


早く薫に知らせなきゃ…!


違法契約者とか天使協会とか…。



その前に……。


俺は寝ている泰光を見た。


殺さないと…ダメだよね…?



大丈夫…。


今はイスーラも居る。


一瞬で終わる…!


泰光に手をかざす。


心音は早さを増し、額から汗が零れる。


息遣いも無意識に荒くなり、手が震えた。