「優君!?」
優君を膝の上に乗せてあげた。
結構殴られてるわね…。
「口ほどにもない…。この程度ですか?」
優君が相手をしていた女がこっちに向かって歩いてくる。
「優君…女だから手加減したわね?」
「すいま…せん…。やっぱり俺には無理です…。女の人と戦うのは…。」
この子…本当に優しすぎるんだから…。
「じゃあ男なら大丈夫?」
私がそう言うと、ゆっくり頷いた。
戦いの中で手を差し伸べたのは小さかった薫以来ね。
「ちゃんと立ちなさい。私があの不細工片付けてあげるから。」
優君はフラフラと立ち上がり、泰光の方に向かって構えた。
「相手が変わろうが結果は一緒です。あなたが何者であろうが…私の前にひれ伏します。醜い女性よ。」
私は風魔扇を広げ、女にかざした。
「嫌味な女。自分が不細工だからって人のこと醜いだなんて。
『美風鬼(びふうき)涼風』。久しぶりに日本で暴れるわよ?」
「やってみて下さい。この『千手(せんじゅ)の千夏』に。」
千夏は私に向かって殴りかかってくる。
「鎌鼬。」
風の刃が千夏に襲いかかる。
千夏は転がって風を避けて、私の方に向かってくる。
仕込みナイフを出して、千夏の足元に投げた。
すると一瞬動きが止まり、そこを見逃さずに扇子を振りかぶった。
「烈風!」
突風に煽られて、千夏は吹き飛ばされた。
「風よ…。」
真下から風を吹かせて飛び上がり、後ろから突風を吹かせて千夏の所まで飛んだ。
「風魔扇…"如月(きさらぎ)"。」
扇子が身の丈くらいになり、龍の模様が浮かび上がった。
以前の風魔扇より協力な風の力を出せる。
風の力が如月に集まり、大きな風の玉を作った。
