―薫―
チャプ…。
あぁ…朝風呂はいいな~。
朝じゃねぇけど。
昼過ぎに理恵に起こされ、他の依頼人も来てなかったのでゆっくり風呂に入っていた。
優は涼風と買い物に行っているらしく、起きた時には既に見当たらなかった。
しかし…涼風の依頼は何から手をつけたらいいのか…。
耳にかけていたタバコを加え、人差し指に黒い炎を灯してタバコを吸い始めた。
ただのストーカーじゃないのは明白…だが手掛かりが一切ない。
優ならともかく俺と涼風が気配を感じとれないのは異常だ。
「はぁ…。めんどくさそうだ。」
煙を吐いて天井を見た。
―『面白そうじゃねぇか。前回の魔具使い以上に楽しめるだろ?』―
アビルが嬉しそうに言っている。
魔具使い……。
俺は和志が言っていたことを思い出した。
魔具…協会…大天使……。
まさか…。
涼風がその協会って奴に目をつけられていたとしたら…わからない点もわかってくるかもしれない…。
灰を落として考え始めた。
気配を感じれないのは…何か特殊な方法で遠くから俺達を監視しているから…?
わざわざアメリカに居た時に涼風に接触しなかったのは…日本に帰らせて俺達のような他の契約者と一緒に殺す為か…?
点と点が繋がった気がした。
ん…?
俺は風呂から上がって体を拭き、服を着て風呂場を出た。
「薫。ご飯できたよ?」
「あとで食べるわ。理恵…俺が帰ってくるまで絶対ここから出るなよ?」
テーブルに置いてあるゴムを手に取って後ろ髪を束ねた。
「わかった!気をつけてね。」
理恵の言葉を聞いて、俺は外に出て人気の無い場所まで向かった。
