涼風さんは荷物を持って立ち上がり、伸びをする。
「あぁ~あ。せっかく優君とラブラブデートしてたのに。とんだ邪魔者が入っちゃったね!」
ラブラブデート?!
それより…あの2人動く気配がないし、俺達から一度も視線を外してない。
「ここでは戦えない。向こうは私達を狙ってる。多分まだ気付かれてないはずよ。それを逆手にとって戦いやすい場所まで誘い込み、よければ不意討ち一発かませるわ。まぁ向こうも何か仕掛けてくるかもしれないけど。」
すごい…。
気配に気付いてからの短時間でここまで考えてたのか。
「とりあえず裏扇杜まで行こうか♪あとは向こうの出方次第ね。」
涼風さんの言う通りに裏扇杜に向かった。
裏扇杜に着くと、涼風さんは腕を組んで難しい顔をし始める。
「気配が消えてる…。一体どうなってんの?」
「えっ?!」
目を閉じて気配を探ってみると、さっきまで感じていた気配が消えているのがわかった。
ガチャッ…。
背後から微かにドアが開く音がした。
ドアの開く音?
まさか…!
振り返ってナイフを振り上げている2人の手を掴んだ。
「ちっ!風牙!!」
突風が謎の2人を吹き飛ばす。
こいつらが涼風さんを狙ってた連中か。
漆黒のロングコートに身を包み、胸には天使の羽のエンブレムがついている。
2人がフードを取ると、前髪を上げている若い男と、ショートカットの大人の女性が姿を現した。
「違法契約者2名。天使協会規定違反により…安らかなる死を執行する。」
そう言って女性は俺に殴りかかってくる。
俺は拳を掴んで止めた。
「違法契約者って…いきなり何だよ!」
女性が少しニヤリと笑うと、女性の右腕から2本腕が生えてきて俺の腕を掴み、空中に投げられた。
