始末屋

涼風さんは何も変わってない。


優しいお姉ちゃんって感じだな…。


俺も何も変わってない…。


いつまでも優しさに甘えたままだ。



落ち込んでいることに気付いたのか、涼風さんは俺の頭を撫でた。


「腕が無くなった時も今みたいな顔してたわ。何も気にしなくていいのよ?優君は笑ってる顔が一番なんだから!それに…」


涼風さんは急に口を濁した。


俺は涼風さんの方を見た。


「言ったよね?腕が無くても支障は無いって。でも私は義手をつけた。それは…優君が傷つかない為にしたことよ。私を見て罪の意識なんて感じてほしくなかったから。

だから私のことで何も悩まなくていいの。遠慮せずに接してくれた方が私は嬉しいわ。」


俺の為に…?


手術も痛かったって言ってたし、リハビリも大変だったって言ってたのに…。



俺はやっぱりダメだ…。


強くならないと…。


「涼風さん…。本当にごめんなさい!せっかく誘ってくれたのにこんな顔しちゃって!」


俺がそう言うと涼風さんは少し微笑んでくれた。


「ん…?」


涼風さんの顔が真剣な顔つきになった。


俺も辺りを見回してみたが特に変わった人は居なかった。


「優君。1つだけアドバイスしてあげるわ。気配を探ったり相手の力量を計る時は目を閉じて体全体で感じるの。慣れてきたらいちいち目を閉じなくても感じれるようになるわよ。気配は目で感じれる物じゃない。視覚は意味がないわ。これ1つ身につけるだけで優君は薫を越せるわ。」


俺が薫を越える…?


涼風さんを見ると、笑っていた。


やってみろってことか…。


集中して目を閉じてみた。


体全体を使って感じる…。


強い気配だけを感じとるんだ…。



体が研ぎすまされていくのがわかる。


これならいけるかも…。



………居た!!


「2人…他の人と違う人が居ますね。」

「正解!薫より取得するの早かったわ。それをもっと鍛えたら目瞑って戦えるようになるわよ。」


さすが薫に戦い方を教えた人だ…。