始末屋

―優と涼風―



「ねぇ優君どっちがいいと思う?」


「しっ…知りませんよ…!涼風さんの好きな方を買って下さい!」


俺と涼風さんは扇杜のデパートに来ていた。



今は涼風さんが下着を選んでいる。


俺は下着屋に背を向け、涼風さんと応対していた。



「だって下着は男の子の好みがあるでしょ?だから聞いてるの!」


絶対からかってる…。


わざとこういうことやってるんだ…。


「本当に純粋ね~。天使に好かれるのもわかる気がするわ。」



涼風さんの声が遠ざかっていく。


自分で選んで買ってるのかな…?


しばらくすると涼風さんが戻ってきて、2人でデパート内を歩き始めた。


「よかったんですか?薫と来なくて。」


俺がそう言うと涼風さんは笑った。


「薫と買い物来てもおもしろくないでしょ!めんどくさそうな顔してどれでもいいから早くしろよとか言いそうだし!」


確かに…薫はそんな感じだな…。


「薫も一途だからね~。好きな子以外は眼中にないんでしょう。優君は好きな子の1人くらいできた?」


涼風さんは俺の顔を覗き込んで聞く。


「好きとかよくわかんないですけど…気になる女の子は居ました。多分もう会うことはないんでしょうけど…!」


そう言うと、涼風さんはニヤニヤし始めた。



自動販売機でジュースを買って、デパート内のベンチに2人で腰かけた。



「きっと会えるわよ。優君が強く願えばまた巡り会うはず。だから腐らないで頑張んなさい。その子が生きてる限り100%無理なんてことはないんだから!」


そう言って缶を開けてジュースを飲み始めた。


そっか…。
涼風さんの最愛の人は…どんなに願っても帰ってこないんだ…。


自分の軽はずみな発言に少し落ち込んだ。