その女性の顔はミカエル様とは違い、可愛らしい顔つきで、金髪でツインテールをした美しい女性だ。


「こんな小さな島国で働いているような者に姉様の美しい手を触らせることはなりません!!」


怒る女性の頭をミカエル様は少し微笑みを浮かべて優しく撫でていた。


「ラミエル。そんなことを言ってはいけませんよ?場所や地位は違えど…ここに居る2人は同じ目的の為に尽力(じんりょく)してくれている仲間なのですから。」


ラミエル様は頭を抑えて顔を赤らめている。


「ミカエルよぉ!俺達は大天使だ!ラミエルの言う通り下の者を同じように扱うのはどうかと思うがな!」


ミカエル様の後ろから、2メートルはあろう大男が言った。


顎に少しだけ髭があり、たくましい顔つきをしている。


「ウリエル。私達は天の下に平等なのです。そう教えられて育ったはずでしょ?」


ミカエル様がそう言うと、ウリエル様は何も言えずに黙ってしまった。


「ミカエル。早く2人に状況を説明して手筈を整えた方がいいのではないか?私達がここに滞在できる時間は少ないのだから。」


ウリエル様の横に居た髪の長い男性が言った。


髪は腰元まであり、声を聞かねば女性と間違うような美しい顔つきをしている。


「そうねガブリエル。サリエル…怖くないからあなたもこっちに来なさい。」


ミカエル様がそう言うと、ガブリエル様の後ろから哀しい目をした若い男の子が顔を出した。


パーマがかった髪に、物憂げない顔をしているのがサリエル様。


多分この中で一番若いであろうお人だ。



これが私達が教わった大天使…。


何と神々しいんだろうか…。


「私達はアメリカに居た日本女性の違法契約者をマークしてこちらに来ました。彼女はマークに気付き日本に帰ってまた新たな違法契約者と接触しています。既にマークは4人。内2人は天使の違法契約者です。これを罰しに私達は日本まで来た次第です。」


その為に日本に…?


一体どのような違法契約者なんだろうか…。